秋田杉樹皮繊維断熱材外張断熱
2-1.木質繊維ボードとは何か
・エコ断熱材の定義その種類
一頃はエコ断熱材というと、木質系繊維・植物系草茎繊維・動物系繊維などの自然系断熱材を指していたのだが最近ではプラスチック系であっても、ペットボトルをリサイクルしたポリエステル断熱材などのリサイクル断熱材を含む場合もでてきた。
自然系断熱材は住宅の健康志向の高まるなか、化学物質過敏症・環境ホルモンやアレルギーに対応し、人体や環境に負荷が少ない断熱材として注目されている。種類は木質繊維系のセルロースファイバー、炭化コルク、セルロースウール、軽量軟質木質繊維、ココヤシ繊維、植物系草茎繊維のフラックス(亜麻)繊維、ハンフ(大麻)繊維、コットン繊維、動物系繊維の羊毛繊維などがある。現在、国内の市場に出回っている自然系断熱材は、セルローズファイバー、炭化コルク、セルロースウール、羊毛繊維などと種類も量も少ない。セルロースファイバーは国内で歴史と実績があり、他の自然系断熱材に較べダントツに普及している。他には、炭化コルクが多少出回っているが価格だ高いことから、厚さが必要な省エネルギーというよりは、25ミリ厚程度の薄さで健康建材的な使われ方がされている。

・木造外張り断熱に使えるエコ断熱材
木造外張り断熱に適しているものはボード状のものである。ボード状のものは、木質繊維ボード、炭化発泡コルクがある。

・木質繊維ボードの特徴
ドイツやスイスではこれからのエコな断熱材の主流として認知されている。また日本でもこれからのエコな断熱材の主流として期待されている。植林と伐採のサイクルが考えられた森林と木材は膨大な量であり、木材産業からの廃材やリサイクルされた木材の木質繊維から大量に生産されるからだ。自国の木材であれば最良である。他の自然系のエコな断熱材は生産量が限られるのが欠点である。

木質繊維ボードは日本ではまだ、流通が少ないが、畳下地などの軟質繊維ボードを比重を0.24から0.15と軽くし断熱の効果をもたせたものである。        
熱伝導率が0.040w/(m・k)で、グラスウール16kと高性能グラスウール16kの中間の断熱性能をもっている。比重が160でグラスウールの約10倍の重量のことから、熱容量が約2000ジュール/(kgーK)で断熱性だけではなく蓄熱層の役割も同時に果す。熱容量が大きいことは熱伝導時間が長く、温度振幅が抑制され、室温の安定をもたらす。
吸放湿性に富み、保湿性は30kg/m3と高く、内部結露や構造木材の乾燥に有利である。吸音でけでなく、重い分遮音効果がある。50mm厚で約1,200円/m2、100mm厚で約2,400円/m2である。国内高性能グラスウール16Kの3倍ほど、50ミリのウレタンボードの断熱性能に対応する軽量軟質木質繊維ボードの厚さは80ミリで、ほぼ同じ価格である。80ミリの厚さで1.950円/m2。量産されると、もっとコストダウンできる。ドイツでは日本の半分前後である。高価な輸入自然系断熱材と較べると、自然系断熱材のほぼ1/3から1/4前後のローコストである。そんなことから量と共に、これからのエコな断熱材の主流として期待されているのだ。
接着剤を使用せずに、過熱加圧して25mm厚のボードをつくり、厚さが50mm、100mmであればコーンスターチ(澱粉糊)で張り合わせるので、ホルムアルデヒドは使用されていないく、E0グレードに適合する。
杉樹皮が含まれた木質繊維ボードはホルムアルデヒドの吸着量が多く、その後の再放出量が少なく、樹皮に固定される。アンモニアガスやメルカプタンなどのような悪臭ガスも吸着する。他の材料と比べると、乾燥重量あたりの杉樹皮のホルムアルデヒドの吸着性能は、黒炭の5.88倍、活性炭の1.95倍と吸着性能が優れている。乾燥重量あたりのホルムアルデヒドの48時間後の吸着量は1.986mg/l/g,吸着した後の24時間後の再放出量が0.139mg/l/gである。また杉樹皮は木部に比べてシロアリや不朽菌の影響を受けにくい。


2-2.木質繊維ボードを外断熱に使ってみる
・木質繊維ボードが使える部位
木質繊維ボードは板状であり、現場施工で間柱間に切り揃える充填断熱工法には施工手間がかかり不利に考えられる。良さを引き出すには、外壁や屋根の外張り断熱工法、充填パネル工法、充填パネル+付加断熱工法である。

・どれくらいの厚さにしたか
合川町営住宅の例では厚さが50mmである。
厚さが少ないが、集合住宅なので外壁面積の割合が少ないこと、桁上断熱のセルロースファイバー200mm吹き込み断熱性能を稼いでいる。関東以西では50mmの外張り断熱が手頃である。次世代基準では、地域Ł以西は80mmのの外張り断熱、地域˘は100mm充填パネル工法、Ą地域は充填パネル+付加断熱工法が適している。

・ほかの断熱材と併用した理由
合川町営住宅は無落雪屋根なことから、水平な天井で、桁上断熱工法のセルロースファイバー吹き込み工法が全体的にはコストダウンがはかれる。セルロースファイバーを厚めに300mm吹き込み断熱性能をここで稼ぐのも得策である。吹き込みに適した粒状の軽量木質軟質繊維断熱材を現在開発中である。

・木質繊維ボードの外壁・開口部の納まりと設計のポイント
耐力壁は防火構造でもあるダイライトを全面使用し、建物の揺れと変型を防いでいる。その外側にに気密・防湿専用のポリエチレンシート厚さ0.2mmを施行している。柱・間柱と通気層の胴縁と直行方向に、付加部分に胴縁を設置し、木質繊維ボードは気密・防湿層の外側に張る。直行方向にするのは熱橋部分を重ねない工夫である。更に外側にタイベックなどの防水・防風・透湿シートを張り、通気層を設ける。
開口部の位置は、雨仕舞と漏水を優先させ外側の付加断熱部分に取り付つける。開口部にはサッシ枠が取り付く台座が、断熱材が付加された厚さ分のスペーサー(木材)が必要でそこに開口部が取り付く。詳細図のように、気密・防湿シートは気密テープで、防水・防風・透湿シートは防水テープでとめる。
・現場監理(施工)の留意点
木質繊維ボードの保管時・施工時は雨水に注意した養生が必要である。軽量軟質なボードなので角が欠けやすく、運搬時に注意が必要である。