「自然素材を」と言うのだが、本当に使える自然素材は限られている。
人間が使えば使う程、結果として自然を破壊してしまう場合もあるのだ。
人が巧みに利用することではじめて「素材」は生まれる。
自然の恵みの受け方は、私たち使う側の「知恵」によっているのだ。
環境と共生するとは、自然の恵みを上手に利用する方法をいうのではないか。

かって日本人は、自然との付き合いの中で家を建て、暮らしを創ってきた。
その知恵を再発見しつつ、現代科学的な根拠のある技術を援用して、
快適で健康な住まいをつくりたいと思った。
自然と共生し、自然を活用する素材を使いながら。

その時、山々の木が私たちの目に映し出された。
山の木は数十年という長い時間の中で、手塩にかけて育てられた「自然素材」である。
でも、この自然の恵みを私たちは丸ごと魚を食べるように享受していない。
例えば、製材品を創り出す時に木はその皮を剥かれる。
そして、その皮は捨てられてしまう。
堆積された時間を思う時、その木を包み込んでいた樹皮が捨てられるのは当然なのだろうか。

こうして、樹皮を活用した自然素材としての断熱材が生まれた。
名前はバークという。
人間の身体が化学物質等に過敏になってしまった現在、
自然素材を中心として家をつくることは必然といえる。
私たちは、このバークを使って、高性能住宅システムであるエコ・ビオ住宅を開発した。
自然の恵みと人間の知恵を重ね合わせた時、それは生まれたのである。