住宅の温熱環境・断熱に関する性能の重要な部分を占める断熱材の性能としては、断熱性の熱抵抗値(熱伝導率)、透湿抵抗値、熱容量(蓄熱量)、ヒート・リレーなどがあげられる。現状ではこの中で、断熱材の性能として熱抵抗値(熱伝導率)と結露関係の透湿抵抗値が重要視されているが、今後、断熱性の熱伝導率の優れているものの使用、さらなる厚さの確保による熱抵抗値の向上が求められている。
 しかし、断熱性能だけが注目されると、石油系断熱材が俄然有利になってしまうが、環境や人体に及ぼす負荷をも考え合わせなければならない。
 とりわけ、地球温暖化やオゾン層の破壊などの地球・地域環境、さらに最近は新建材から放散される微量のホルムアルデヒドなどの化学物質に「ひと」が過敏に反応し、低濃度中毒症状、いわゆるシックハウス症候群におちいる人々も増加してきている。さらにこの数年は化学物質過敏症ばかりでなく、環境ホルモン問題(生物のホルモン機能を撹乱し、オスのメス化や人間の精子が半減している生命の衰退の危険性)などの新たな問題が生じてきている。

●普及し始めた自然系断熱材

 一般的な建築材料は「地球環境や人体に負荷がある化学物質の建築材料」と「地球環境や人体に負荷が少ない建築材料」とに分けられる。断熱材に関しても、施工の難易度と精度、性能と価格ばかりでなく、生産エネルギー、消費量と生産量のバランス、物流の生産国からの遠近、リサイクル、燃焼、廃棄、発ガン性、住まい手の体質などの総合的な判断が必要となる。
 健康志向が高まると共に、人体や環境に負荷が少ない自然系建材の需要が増加している。ホルムアルデヒド放散量を抑えた合板や のMDF、無垢木板、自然系塗料、紙クロス、布クロス、珪藻土塗壁などの仕上げ材の普及が著しいが、自然系断熱材の普及は少ない。
 その理由が、価格面だけにあるとは思えない。むしろ建材メーカーのように大量宣伝等がなされず、消費者がその存在を知らない、といった点にも大きな理由がある。
 しかし、エコロジーやバウビオロギーを考え、化学物質過敏症・環境ホルモンやアレルギーに対応するには自然系断熱材が是非とも必要である。


●自然系断熱材の総合評価
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