3.ヒトに負荷が大きい(健康を損ねる)住宅
●空気質(室内気候と室内環境汚染の現状)
1 公衆衛生学的問題
[1]温度(寒さ、暑さ)と不健康 
1-1従来型住宅の寒さの欠点と不健康 

 経済的、文化的に潤ってきた私どもは健康に敏感になっています。末永く、健康で
楽しい人生を送るのが希望です。しかしながら、従来の住宅は隙間が多く断熱施工に
欠陥があり、寒く結露が生じやすくなっています。こうした住宅環境は人の健康と密
接に関係しております。
 (A)室内の寒さと大きな温度差は健康に悪い
 室内の寒さと大きな温度差は不快なばかりでなく、脳卒中・心臓病・神経痛・リュ
ウマチなどの要因となっています。
 図[1ー1]は気温と脳卒中の死亡率の関係が表わされ、寒くなればなるほど死亡
率があがっています。脳卒中の死亡率は食事や医療などの要因などとともに寒さがお
おきく関与しています。寒い北海道が全体的に死亡率が少ないのは住宅が寒さに対し
て考えられているからでしょう。逆に、冬が暖かい鹿児島では寒さが考えられていな
いでしょうから、北海道より死亡率が高くなっています。長野県や秋田県などが高い
のは説明しなくても解るでしょう。

 a)平面的な温度差
暖かいのが居間だけで30度前後あり、そこからトイレや洗面所などの零下に近い寒
いところにいきますと、寒さが体にこたえます。床面も冷たくすぐに足裏が凍えてし
まいます。図[1ー3]これが体をこわしている人や高齢者や病人ですと、体におお
きな負担がかかり(ヒートショック)病気の引き金となります。
 図[1ー2]のように普段から血圧の高い人は、寒さにあいますと血圧が200を
超えてしまい、危険な状態になってしまいます。和式のトイレですとしゃがみ込むこ
とでさらに血圧が25前後上がってしまいます。
 健康な体の人でも真冬の寒い時の入浴は、洗い場でぶるぶる震えるほど冷え切った
体を温めるため、バスタブの熱いお湯に入ります、これの繰り返しでは健康に良くあ
りません。

 浴槽の中で死亡する事故が多く、交通事故死より人数が多くなっています。洗い場
は寒く、浴槽のお湯が熱く、その温度差により、急激な血圧の上昇や下降が心臓や欠
陥に負担をかけてしまうのです。寒冷地では更に割合が多くなっています。

 b)上下の温度差 
 ストーブをがんがん焚いて暖かいはずの居間も大きな温度差があります。体がスト
ーブに面した所だけ熱く、背中は冷え冷えとしています。床面は冷たく、立つと「ぼ
ー」とするほど暑く、30度を超えています。天井近辺は40度近くまであります。
床面や間仕切り壁は10度くらいと冷たくなっています。8畳ほどの所で北極と熱帯
が同居しているようなものです。図[1ー4]
 このような暖房は、暖房ではなくて採房と言われています。部屋全体を暖めるまで
いかず、焚き火などのように部分的に暖を採るのにちかいレベルが低い方式です。

 c)冷輻射と隙間風による不快感
 窓面や冷たい壁面からの冷ややかな冷輻射図[1ー5]や、隙間からの冷たい風で
室温が高くても暖かさを感じないといった不快感があります。温熱環境の一つの要素
である微妙な気流が問題になるような質の高い空間ではなく、家じゅうを風が走る劣
悪な住宅です。

[2]高湿度と不健康
 1.従来型住宅の高湿度の欠点と不健康
 従来の建て方のコンクリートのマンションや木造住宅ですと、北側の寝室やタンス
の陰や窓の結露がひどく、じめじめしたり、その上黴びたりして不快なものです。不
快なばかりでなく、カビの胞子やカビを餌に繁殖したダニやその糞や死骸が、喘息や
アトピーなどのアレルギーと関連しています。図[1ー9]

 a)高湿度と結露の発生  
 四人家族の一軒の住宅の1日の日生活で図[1ー10]のように人体から発散され
たり炊事などで9リットル前後もの水蒸気が発生します。これは1升ビン5本分にあ
たるということです。以外に思われるのは、人体から4リットルもの水蒸気がでてい
るということです。
 此の水蒸気が低温の窓や非暖房室で冷えて水に戻り図[1ー9]のように結露しま
す。これは夏に飲む冷たいビールのコップのガラスの表面に水滴がつく原理と同じで
す図。[1ー11]煙突がなく燃焼ガスがでるファンヒーターなどは、灯油が燃えた
分水蒸気が発散して、それが結露してしまいます。これは、みなさんがひどい目に遭
い経験済みのことでしょう。

 b)高湿度とカビとダニの発生
 結露がある所は湿度が高いのでカビが生えやすくなっています。カビの増殖域は温
度が20〜30℃、湿度が60〜100%、カビは温度が22〜28℃、湿度が70
〜80%となっています。カビが増えるとともに栄養源になり、ダニも図[1ー12]
のように増殖しやすくなっています。 
 湿度が94パーセントでは5倍位に増えています。結露しているところはこの位の
高い湿度になっていて、カビが生えやすく、またカビの胞子は栄養価が高いのでダニ
にとっては豊富な食料なので盛んに繁殖します。これらの胞子や糞は図[1ー13]の
ように吸い込むことによって人体に悪い影響を与えます。これらは喘息やアトピーなど
のアレルギーなどを引き起こす大きな要因となります。

[3]その他
 ・窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素(開放石油ストーブなど)
 ・細菌 
    

1-2臨床環境学的新しい問題
         化学物質汚染(化学物質過敏症・環境ホルモン)

[1] 化学物質による地球、地域の環境汚染
 1962年にレイチェル・カーソンが世界で初めて環境汚染をその薯「沈黙の春」で
警告してから36年たち、また、数限りある資源の宇宙船地球号と言われてから久しい。
 現在もまだまだ環境破壊や汚染がすすんでいる。二酸化炭素や代替フロンの放出で地
球が温暖化し、海面の上昇、異常気象、洪水、砂漠化などの問題がおきている。また、
フロンガスなどの放出によりオゾン層の破壊がすすみ、ひとを含む動植物が強い紫外線
を受け変調をきたしている。他に大気汚染、酸性雨、廃棄物の増大、環境ホルモン、化
学物質過敏症、ダイオキシンなどと地球規模や身の回りの環境問題がおきている。

[2] 中毒、アレルギー、毒性の新しい概念の化学物質過敏症と環境ホルモン
 農薬、サッカリン、着色剤、保存剤などの合成化学物質に無知で無防備であった私た
ち戦後第一世代から生まれた子供がアレルギーのアトピーや喘息は無理もなく思われる。
この世代の時代には工場からの極度の排煙、廃液などの合成化学物質やその他の環境汚
染から水俣病、四日市や川崎などの喘息や、薬害中毒のイタイイタイ病、サリドマイド、
スモン病、カネミ油症など多発していた。

 合成化学物質によって引き起こされる症状には量によって、環境ホルモンや化学物質
過敏症だけでなく、中毒症状、アレルギー症状がある。中毒は1000分の1(ミリグ
ラム)レベルの化学物質が引き起こす。アレルギーは体の中に好ましくない細菌や化学
物質が入ってきたとき、免疫反応が過剰に起きてしまう症候群であり、100万分の1
グラム(ppm)レベルの化学物質で引き起こされる。化学物質過敏症や環境ホルモ
は十億分の1グラム(ppb)から1兆分の1(ppt)などの極めて微量で体を蝕
んでる。
 化学物質は環境ホルモンや化学物質過敏症として、「ひと」の情報伝達や情報処理を
撹乱し、遺伝子、神経、内分泌(ホルモン)、酵素、免疫機能を阻害してしまう。

 1.化学物質過敏症
 端的にいうと、症状が顕著にみうけられるのは、新築住宅の室内や新車の室内などで
新しい内装材から放散されるホルムアルデヒド、揮発性有機化合物などの化学物質の影
響を受け、比較的短い時間で免疫や神経機能のバランスがくずれ、頭痛、全身倦怠感、
不眠、動機など体調がおかしくなる。新築時でなくても、新しい家具、じゅうたん、衣
服、トイレの芳香剤などによってもおこる。滞在時間が多い住宅が大きく問題化されて
いるが、新車の時も問題である。新築住宅に入った時のツンとした匂いは、今までは新
しい家の匂いだと自慢げに納得していたが、ツンとした匂いはホルムアルデヒド、揮発
性有機化合物、防腐・防蟻剤などの化学物質の匂いであり人体に悪いと知ると、許され
なくなった。新車も同様であり、乗り込んだ時のツンとした匂いは強烈である。車は住
宅と違い、さらに格段に化学物質の使用量・割合が多く、対処しなければならない。

2.環境ホルモン
 おもに生殖などの内分泌機能に影響を及ぼすとされる化学物質である。生殖機能のバ
ランスをくずすのだから、雄ワニの生殖器官の矮小化や雌化した魚などの動物だけでな
く、人間の女性の子宮内膜症が増えたり男性の精子の数が50年で半減しているといわ
れている。生殖機能の減少により、動物や人間が数代越しの長期間によって種族保存が
危ぶまれる。「環境ホルモン」は「温暖化」より人類に緊急に深刻な問題である。

 97年の秋に「奪われし未来」が発売されてから、合成化学物質は化学物質過敏症、
アレルギー、中毒ばかりではなく、環境ホルモンとして生物のホルモン機能を撹乱し、
オスのメス化や人間の精子が半減している生命の衰退の危険性が問われている。意訳し
て言えば、化学物質過敏症は具体的な個人個人の個別な問題、環境ホルモンは人類の存
続に関わる全体的な問題である。
 身近な問題として、新聞、週刊誌、テレビなどを賑わしている。日本近海の巻き貝の
メスにペニスが付いている、アメリカのフロリダの湖のワニのペニスが小さくなってい
る、イギリスのコイの精巣が細くなっているなど、子宮内膜症や線ガンの増加、オスの
メス化、メスのオス化などの生殖器や生殖機能の衰退や異常に合成化学物質によってこ
のような現象が引き起こされ、こうした悪さをする合成化学物質を内分泌撹乱物質=環
境ホルモンと呼ばれている。

 「環境ホルモン」の名称は97年からで、その以前は内分泌撹乱物質と呼ばれていた。
内分泌撹乱物質は生物学者、化学者、医学者などが、それぞれの専門分野で研究者が独
自に研究し、相互の情報交換が少なく総合的に研究されていなかった時代の専門用語で
あった。それが、昨年秋に翻訳出版されたアメリカの女性生物学者シーア・コルボーン
博士他2人の著作の科学ドキュメンタリー「奪われし未来」は、個別に研究されていた
のを相互に関連づけ、内分泌撹乱物質=環境ホルモンが生殖器や生殖機能の衰退や異常
をもたらすことの全体像を初めてあきらかにし、一般の人々にも分かり易く説かれてい
る。この本以降、研究者も共同研究がすすんできた。

 「環境ホルモン」の言葉は、横浜市大の井口泰泉教授が97年5月、NHKの化学番
組「サイエンスアイ」で環境ホルモンの研究を紹介した時につくった造語である。この
時期から、一般の人々にもイメージされやすい名称の「環境ホルモン」が多用されてい
る。それを受けて同年の11月21日にNHKスペシャルの「生殖異変、しのびよる環
境ホルモン汚染」のオスのメス化や人間の精子が半減している内容を映像で紹介してい
る。
  化学物質のカタカナ名が氾濫している分厚い本はなかなか読めないものだが、テレ
ビのショッキングな映像は誰でもが引き込まれ、影響力はおおきい。それからNHKや
民放でかなりの頻度で番組化された。 
 98年の2月にはイギリスのジャーナリストのデボラ・キャドバリーがまとめた「環
境ホルモンの恐怖 自然のメス化」が翻訳出版され、4月にはガイダンス的な綿貫礼子
共著の「環境ホルモンとは何か」が遅まきながら出版された。5月には井口泰泉教授の
「生殖異変」など、98年9月まで環境ホルモン関係の本は続々と20数冊出版されて
いる。さらに、「奪われし未来」「環境ホルモンの恐怖 メス化する自然」に登場して
くる多数の優れた科学者が、最近では、環境ホルモンに関したテレビの特番に映像とし
て登場し益々身近な問題として迫ってくる。

 農薬の合成化学物質の環境汚染による人体や生物にガンや形態異常などの被害が明ら
かにされたのは、38年も前の女性生物学者レイチェル・カーソンの著作「沈黙の春」
であった。「沈黙の春」は合成殺虫剤が招く危険性を警告している。PCB、DDTな
どの残留合成化学物質が自然界を汚染していき、それが人体の脂肪や母乳に蓄積され、
性発達障害や行動及び生殖異常を検証している。
 こうした汚染は母胎にいる時からはじまり、汚染が蓄積された母乳でさらに汚染され
ている。また、合成殺虫剤は毒を体から守る機能を果たしている酵素を破壊し肉体のエ
ネルギー源である酸化のはたらきを阻害する。その他にいろいろな器官をいためつけ、
きずついた細胞はゆっくりと変質し、やがて悪性の腫瘍にむしばまれていく。この時代
の被害は眼に見えるものであった。

 現在、環境ホルモンとして問われているのは一億分の1グラムや1兆分の1グラムと
いう極々微量の合成化学物質が、本来のホルモンと似ていて、ホルモンによる生態機能
が誤作動・撹乱されることだ。一億分の1グラムや1兆分の1グラムというのはプール
に目薬が1滴ほどの極めて微量な量である。母胎の子宮内で男性になるべく胎児が、男
性機能分化時に女性ホルモンのエストロゲンに似た合成化学物質に被爆すると、体内停
留精巣などが起ったり、後に線ガンの比率が高くなる。女性では必要以上のエストロゲ
ンに似た合成化学物質に被爆すると、子宮内膜症などの確率が高くなっている。生物や
人体は各種のホルモンが必要な時期に必要な量だけ働き、微妙な生態や成長が保たれる
のを、環境ホルモンが撹乱してしまう。
 環境ホルモンが入っているものはポリカボーネードの哺乳ビンや食器、カップ麺の発
泡スチロール容器、塩化ビニール(食品用ラップ、ペットボトル)の製品、殺虫剤など
があり、ダイオキシンも環境ホルモンの一種である。

[3]化学物質過敏症と住宅
 1.化学物質室内空気汚染の歴史
 住宅でも三十数年前のレイチェル・カーソンの時代から新建材やアルミサッシががど
んどん使われはじめ、アルミサッシで窓からの隙間風がなくなり、アルミサッシも新建
材もピッカピッカで新しい時代の訪れであった。だれもがそう思っていた。
 新築時のツンとした鼻にささる臭も、眼がチカチカするのも、何の疑問もなくあたり
まえだと思うばかりか、新築時の臭いは、それまでのかび臭さとは全く異次元の、一生
の夢をかなえた自慢の豊かさの象徴であった。今だからこそいえるが新建材や塗装など
からホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の放散がアルミサッシで気密化された室内に
充満していたのだ。
 そうした状態が30年近くも長い間続いた、しかし、6年ほど前から許されなくなっ
てきた。テレビ、新聞、週刊誌、本などにかなりの頻度で化学物質過敏症として取り上
げられ、人々は衝撃を受けた。
 20年ほど前に公衆衛生学な黴やダニによる喘息やアトピーがショッキングに報道さ
れ、一挙に住宅からカーペットがなくなり床が木質フロアーになった。それ以来の衝撃
度で、環境臨床医学な、新建材からでてくるホルムアルデヒドなどの極微量の化学物質
に「ひと」が過度に異常に反応し、頭痛やめまいや微熱などをともなった慢性疲労症候
群がおこり健康を害している。化学物質の量が多くなるとアレルギー、それより多くな
ると中毒になる。

 今までの空気汚染の基準は中毒に対応したものだから、極微量な過敏症には全く当て
はまらない。過敏症の症状で身近なのは、新築時に窓を開けて換気していないと、目が
チカチカすることだ。さらに過敏な人は刺激痛がともない涙が止まらない。もっと過敏
な人は室内には居られない。今まではこの現象は新築時に当たり前に起こり、刺激がな
くなるまでの時間が解消してくれるものだとされていた。化学物質が考慮されていなか
った新築時の内覧会では、3割ほどの人が何らかの反応を示し、2割程の人は強く反応
し、1割弱の人は刺激痛を感じいたたまれなかった。

 2.化学物質室内空気汚染の実体
 既存室内、新築時室内の化学物質室内空気汚染の実体と、新築時からの経過の減少の
実体を紹介する。
 ・既存室内
 「朝日新聞」(1998年1月25日)の一面に「発ガン性物質ホルムアルデヒド・
家庭内、戸外の7.8倍」の記事が掲載された。全国23の研究機関が参加し、国立医
薬品食品衛生研究所が集計、分析した全国調査の結果である。「住宅のベランダなどで
測定した戸外の汚染濃度は全国平均で0.008ppmであったのに対し、室内は戸外
の約7.8倍の0.062ppm、最高は0.480ppmであった。厚生省が199
7年にに示したガイドラインは0.08ppmである。これを超えている住宅が322
世帯中かなりの数があった。」

 ・新築時室内
 新築時集合住宅室内の化学物質室内空気汚染の実体と、新築時からの経過の減少の実
体を、お茶の水女子大学の田辺新一助教授の研究室のグループが測定した記録(田辺助
教授の「室内化学汚染」講談社新書)から抜粋する。
 「従来の接着剤使用の部屋で測定は夏季の入居前に行われ、結果は和室で0.12p
pm、洋室で0.09ppmであった。厚生省のガイドラインを超えている。また、こ
の集合住宅では、トルエン、キシレンも測定された。トルエンは和室で0.61mg/
立方m、洋室で1.4mg/立方m、キシレンも和室で0.28mg/立方m、洋室で
0.68mg/立方mもあった。様々な揮発性有機化合物(VOC)をトルエンに換算
した総揮発性有機化合物(TVOC)と呼ばれる量は、和室で4.40mg/立方m、
洋室で4.80mg/立方mであった。これはWHO(世界保健機関)ヨーロッパのガ
イドラインの0.3mg/立方mと比較すると10倍以上高い数値である。」

 ・新築時からの経過の減少
 「7月に新築されたある集合住宅の例でみてみよう。入居前のホルムアルデヒド濃度
は、0.64ppm。3カ月後の10月には、0.08ppmに減少している。厚生省
のガイドラインぎりぎりだ。一方で、TVOCは、7.17mg/立方mから0.43
mg/立方mに減少。この0.43mg/立方mのうち0.07mg/立方mは、居住
者が持ち込んだ防虫剤、パラジクロロベンゼンであった。また、屋外のTVOCがWH
Oのガイドラインを超えている例もある。自動車交通量の多い沿線などではベンゼンな
どのVOC値が高いのである。ということは、いくら換気をしてもガイドライン値は守
れないことを意味する。」

 これまでの伝統的な医学ではこうした害が重用しされていなかったが、最近では公衆
衛生学の他に、北里大学の石川哲教授などの努力により新しい分野の臨床環境医学が進
歩してきた。化学物質過敏症として研究され人体への害が問われ、研究されている。化
学物質が極々微量であっても、人体のホルモン機能や免疫機能が影響を受け、誤作動し、
微妙なバランスが崩れてしまい、体の変調をきたす。室内環境だけではなく衣・食・住
の全体が連鎖しての現象だが、住宅生産領域でも考えざる得なくなっている。
 室内外でホルムアルデヒド、有機リンなど多数の合成化学物質が含まれ害を発生する
ものは多い。とんでもなく毒性が強い防腐・防虫・防蟻剤が入っている防腐・防蟻土台、
白蟻駆除剤、木材保護塗料などである。他にビニールクロスの可塑剤・難燃剤・防黴剤、
抗菌剤、カーテンの防炎剤、畳の防虫加工紙、防虫家具。接着剤では合板やエンジニア
リングウッドのホルムアルデヒドやビニールクロスの接着剤。塗料の有機溶剤。衣類の
防虫剤と防虫家具、トイレの芳香剤。他に塩化ビニール、発泡系の断熱材。合成科学物
質だけではなく、電磁波過敏症もある。テレビなどの家電や蛍光灯からも強い電磁波が
発生するし電気配線からも発生している。

 [4]環境ホルモンと住宅
 環境ホルモンと住宅についての研究は化学過敏症に較べて少なく、資料も少ない。あ
っても簡単な資料である。私たちは居住空間の内外で微量な合成化学物質の環境ホルモ
ンに身近に常時被爆している。化学物質過敏症と同様に、室内・外でホルムアルデヒド、
有機リンなど多数の合成化学物質が含まれ害があるものは、とんでもなく毒性が強い防
腐・防虫・防蟻剤が入っている防腐・防蟻土台、白蟻駆除剤、木材保護塗料、ビニール
クロスの可塑剤・難燃剤・防黴剤、抗菌剤、カーテンの防炎剤、畳の防虫加工紙、防虫
家具。接着剤では合板やエンジニアリングウッドのホルムアルデヒドやビニールクロス
の接着剤。塗料の有機溶剤。衣類の防虫剤と防虫家具、トイレの芳香剤。他に塩化ビニ
ール、発泡系の断熱材などがあげられる。