7.断熱材の評価

 1.評価一覧表(建築知識’99年3月号に掲載を参照)
 ドイツのエコテストは製品別の評価なのだが、同種でも製品別に添加物の混入な
どが違い評価が異なってくる自然素材の断熱材は日本ではほとんど普及されていな
いことから、断熱材の種類別の評価一覧表をつくる。

 評価項目  価格、製品形状、原料、リサイクル製品、熱伝導率、透湿度合い、  
       経年劣化、難燃性、コスト、製造・施工エネルギー、廃棄
       人体への負荷(石油製品、発ガン性評価、ホルムアルデヒド、添加
       物 ハロゲン化合物、スチロールの有無、芳香族炭化水素の有無、)
      
 2.断熱材のエコロジー比較(スイスでの実例)        
 日本では自然素材の断熱材の実績がほとんどないので、ドイツと共にエコロジー
とバウビオロギーの先進地スイスのチューリッヒ在住のバウビオロギー建築家佐々
木徳貢氏が作成した表をあげる。佐々木氏は「バウビオロギー 新しいエコロジー
建築の流れ」(学芸出版社)の著作者であり、私は昨年6月に話を伺いながらチュ
ーリッヒのバウビオロギー住宅を案内してもらった。スイスではエコロジーの評価
方法を、基本的な測定値から一定の図式に当てはめ計算するエコ計算方式をもちい
られている。エコロジー評価はエコファクターから方程式で求められるエコポイン
トや、大気汚染度(A)、空気滞留時間が考慮された大気汚染度(B)によって評
価される。断熱材も他の建築材材料と同様に、使用される重量から、製造エネルギ
ー、運搬エネルギーや一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄、酸化窒素、炭化水素、
塩酸などの汚染物質の量が計算され、総合的にエコ計算方式によって数値でエコロ
ジー評価される。

3.ドイツのエコテストの断熱材の評価 
 エコテスト出版の雑誌「エコハウス」のエコテストは非常に参考になる。エコテ
スト社は’85年に設立され、エコロジカルな環境と人間の健康をテーマに「エコ
テスト・マガジン」を毎月刊行している。5万人の定期購読者と3万人の一般購読
者を抱え、影響力が大きい雑誌である。
 「エコテスト・マガジン」が扱う範囲は、建材、生活用品、化粧品、幼児の玩具、
洗剤、塗料、その他ほとんどの日用品に及んでおり、外部委託の検査方式でエコテ
ストを行い掲載している。記事は雑誌だけではなく、まとめて編集され書籍化され
ている。建築関係がまとめられたものは日本でも高橋元が訳し「エコロジー建築」
(青土社)として出版されている。まとめられた書籍は幼児環境、化粧品、洗濯・
掃除、ダイエット、日曜大工、家庭用品などがある。

 「エコハウス」は「エコテスト・マガジン」の姉妹雑誌で住宅や家具関連のエコ
ロジーな記事が掲載され、駅のキオスクでも買えるほどの普及されている雑誌であ
る。そのなかで、エコテストの記事が断熱材、塗料、太陽熱コレクター、ベッドな
どの項目別に特集されている。’98年1月号は断熱材と塗料のエコテスト一覧表
がそれぞれ掲載され、各社の商品別の断熱材のエコテスト一覧表は写真入りで堂々
たる6ページである。

 エコテストの一覧表の項目は、写真、商品名、会社名、価格、製品形状、原料、
添加物、リサイクル製品かどうか、熱伝導率、透湿抵抗、防火性能、ホルムアルデ
ヒドの有無、ハロゲン化合物の有無、発ガン性評価、石油製品の有無、スチロール
の有無、芳香族炭化水素の有無、備考、総合評価区分があげられている。総合評価
区分では「推奨品」「準推奨品」「低推奨品」「非推奨品」の4つのランクに区分
されている。エコテストの断熱材の評価は素材別ではなく各商品別の評価にしてい
る。
 同じ素材でも、メーカーによって添加物の種類も割合が違うし、同じメーカーで
も商品によっても違うからだ。エコテストのでは「推奨品」にあげられているのは
28品目、「準推奨品」にあげられているのは10品目、「低推奨品」にあげられ
ているのは11品目、「非推奨品」にあげられているのは8品目になっている。

 自然素材の断熱材の評価が高く、石油製品の化学系や無機系の断熱材の評価が低
くなっている。自然素材断熱材でも、添加物の種類も割合、石油製品繊維などが入
っていると、評価を下げている。評価が厳しく、塗料では、日本でもてはやされて
いるドイツ製の自然素材塗料のアウロでも「準推奨品」の評価しか受けていない。