vol.16ミネルギーハウス(Q1プロジェクト)の実践2

1  石狩の家 Q値=1.18W/m2K      STV開発(株)

l 地域の札幌市の郊外の石狩市の新興住宅地に位置し、4月下旬に完成しモデルハウス[写真06・07・80]として展示中である。 相当延べ床面積が149.47m2

写真06
[写真06]
写真07
[写真07]
写真08
[写真08]

考え方

超高性能

Q値が1.18W/m2K、暖房用灯油消費量が944リットル(6.31リットル/m2)の超高性能住宅である。

部位別の説明

断熱仕様

[図7]のように、 屋根が厚さ330mmの吹込みロックウールの屋根充填断熱[写真09]、 壁が厚さ100mm高性能グラスウール16kに+厚さ50mmのネオマフォームの付加断熱[写真10]、 基礎が厚さ100mm(外)+20mm(内)の押出法ポリスチレンフォーム3種である。

写真09
[写真09]
写真10
[写真10]
開口部仕様

開口部は北・西側がアルゴンガス入りトリプルガラスの木製サッシ、南・東側がアルゴンガス入りLow-Eペアガラスの木製サッシである。 熱的に弱点な大型のテラス戸などは熱抵抗0.214 m2K/ Wのハニカムサーモスクリーンで断熱補強している。

暖房方式

暖房はFF式石油ボイラーの温水パネルヒータである。

換気

換気方式は、第3種換気システムである。

Q1プロジェクトとしてのポイント

第3種換気の場合はこのような高断熱であってもQ値が1.18W/m2Kになり、 1 W/m2Kに近いが1 W/m2Kを切ることはできない。 換気の熱損失の65.34W/Kは、 開口部21.65W/K・外壁33.48 W/K・屋根14.97W/Kと較べると2〜4.3倍大きいことから、 高性能になればなるほど換気の排気から熱を回収することが有効である。

STV興発(株)の他のQ1プロジェクトの住宅は熱交換率80%の熱交換換気システムを使用し、 Q値が0.83W/m2K、 暖房用灯油消費量が329リットル(2.36リットル/m2)の超高性能住宅になっている。 換気の熱損失の13.46W/Kと極めて小さくなっている。

2  地中熱・換気排熱の双方利用ハイブリットシステム暖房
       寒冷地における暖房システムについて

文:キーテック工業(株)川村芳夫

寒冷地における暖房システムは灯油ボイラーによる方式が主流となっている。 地球環境の保全という観点から二酸化炭素(CO2)の排出抑制が強く求められている現状においては、 寒冷地においても従来通りの灯油ボイラーによる暖房方式を継続する事は極めて困難な状況になっている。 つまり一般家庭におけるエネルギー消費を大幅に削減する事が求められている。

これらの状況を鑑みて住宅におけるエネルギー消費の削減は更なる住宅の断熱、 気密性能を向上させる事と暖房システムもエネルギー消費が少なくCO2を極力排出しないシステムの開発が求められている。

本システムはヒートポンプ方式による暖房システムを提案する。 寒冷地においては、 従来の大気熱利用のヒートポンプは気象条件上使用する事は、 極めて困難である。 そこでヒートポンプシステムでは不可欠である熱源を大気に求めないで地中熱と住宅内から排出される換気風量を利用する事とした。

本システムは地中から熱エネルギーを回収する為に地表から8m程度の深さに鉄管を複数本(8本)埋設した。 その鉄管の中に樹脂パイプを挿入し、 不凍液(20%濃度)を循環させる事により地中から熱エネルギーを回収する方式を取った。 更にシステム全体の効率を上げる為に換気装置により外部に排出される換気排熱を換気用空気熱交換器により熱回収し、 ヒートポンプの熱源とした。 これにより地中からと換気からの熱エネルギーを回収する事により、 寒冷地におけるヒートポンプシステムの最大の課題であった熱源確保の問題が解決された。

北広島の家の暖房延べ床面積は162m2。 熱損失係数1.0W/m2K、札幌市の設計外気温m210.3℃とすると、灯油ボイラー使用の時のエネルギー使用量は48,237MJ。 ヒートポンプシステムの場合のエネルギー使用量は12,673MJとなり、ヒートポンプシステムによるエネルギー削減率は71%となる。 又、CO2排出量は灯油ボイラーを使用した場合、3,273kg・CO2を排出しヒートポンプシステムとした場合は1,184kg・CO2となり、その削減率は灯油ボイラーに対して64%となる。

この様にエネルギー使用量とCO2排出量を大幅に削減するヒートポンプシステムは今後寒冷地における暖房システムの主流となると思われる。