草屋根と、北面の大窓と南面ハイサイド窓が特徴の住宅です。
敷地の南側は車の通りが多く、北側には桜の木があり視線の抜けと風通りも良いことから、安定した借景と採光を得るために北側に掃出し窓と縁側を設けました。日射取得は南面にハイサイド窓を設け、冬は居住空間に光を届け、夏は袖壁と外付けシェードで日射遮蔽を行います。
日中はハイサイドからの光が焦茶に塗装した床と天井板に反射し、夕暮れには人工照明を余り用いずに、日が暮れると共に暗くなる居住空間には、住まい手の古民家での暮らしと北東北の明るさを得るための工夫が反映されています。
草屋根には少しずつ苔や草花が植えられ、冬は暖かく夏は涼しい室内に、愛着のある小物や絵画、古材を用いた什器が少しずつ増え、時間と共に魅力が増していきます。