以下は2020年のブログを再掲載する。
住宅建築創刊第1号は昭和50年5月発行の5月号は増沢建築設計事務所の「伊豆の余暇住宅15題」の特集だった。
今から47年前、私は24歳だった。
若い頃は種々の建築家に憧れたが、学生の後半から設計事務所の実務に入ると増沢洵と大野勝彦の影響は特に大きかった。
増沢洵は作家的なオドロオドロしい恣意的さがなく、簡素で簡潔な様が好きだった。
しかし増沢や木造の、特に架構の資料・情報が少なく、増沢の住宅が特集されている住宅建築創刊第1号は有難かった。
その頃は現代木造の矩形や詳細図が載っている本や雑誌はとても少なかった。
創刊第1号には木材の矩形や詳細図、断面表まで載っている。
写真は現代木構造の架構が良く知れる。
住宅建築創刊第1号は表表紙と裏表紙が取れボロボロになっている。
部材表のページは手垢で黄ばんでいる。
恣意さ、他意さがなく簡素で簡潔な空間。
これが増沢洵の魅力であり、私の造形デザインの原点である。
増沢洵の戦後最小限住宅(9坪)。
この住宅は良く知られている。