これまでの略経過。
7月15日に内水氾濫が起こる。
8月28日に盆明けに外装・内装の下部を撤去し乾燥する。
9月09日に乾燥状態をチェックする。
計測は秋田県立大学の長谷川教授。
南側土台は
9月9日の含水率は20.4%から25.7%。
8月28日の含水率は33.3%から25.7%。
13日で7.5%、8.95%下がっている。
北側土台は
9月9日の含水率は26.0%から39.4%。
8月28日の含水率は43.5%から90.9%。
南側土台と比べ乾燥が遅い。
乾燥が早いのは、
送風ファンだけではなく、
床下エアコンの除湿モードで除湿しているのが効果が大きいのだろう。
床下空間がチャンバーとなっており、低音除湿乾燥である。
問題はどこまで乾燥し含水率を下げ、断熱材を充填し、内装・外装を貼るかである。
教科書的には20%だが、
これまでの経験と実績から35%前後だろう。
高断熱・高気密住宅をやりだした40年ほど前には
20%の人工乾燥材は普通の流通では手に入らなかった。
乾燥材といえば割り角の天然乾燥材であり、
含水率は35%前後、良くて30%であった。
出来上がった家では平行含水率の12%前後まで下がるので、
その分の大量な水蒸気が放出される。
防湿層、透湿層、通気層などが適切に施工されないと結露してしまう。
木材の収縮もある。
柱の木口方向で4mmの収縮と言われている。
乾燥収縮による気密性能(隙間相当面積)のダウンも考えられる。
1993年完成で築12年後の高断熱・高気密住宅の改修時には結露の形跡がなかった。
隙間相当面積は0.5cm/m2から0.7cm2/m2になっていたが、
樹脂サッシの立て付けやパッキンの劣化によるものだった。
木材の乾燥収縮による気密劣化はなかった。
防湿・気密シートの十分な重ねしろや気密テープによもものと思われる。
以上の結果から
今回の内水浸水の高断熱・高気密住宅の土台周りの乾燥は、
迅速性から、乾燥は含水率35%前後まで乾燥すると良いと思うが、
どうだろうか。
35%前後の杉割角の天然乾燥材を使った築12年の高断熱・高気密住宅。
条件が厳しい北西の角の寝室。
結露や黴の形跡が見られない。
内水浸水のQ1住宅L2楢山南仲町。