平屋で89.43m2のパッシブハウスになりにくい小さな家ですが、南面のファサードは外からも内からも太陽を意識したパッシブハウスの顔になっています。
建設地は佐倉市でしたが、PHPPに気象データはなく、近くの東京と水戸の気象データ入力での検討でした。
東京はヒートアイランドで大阪並みの気象条件で蒸暑地型であり、年間冷房需要を満たすのに重点が置かれましたが、佐倉市は冬型の気候となるため、年間冷房需要の数値を満たすと共に年間暖房需要を満たす必要がありました。
年間暖房需要を満たすのに、南面に日射取得が大きい大開口を設け外付ブラインドで日射調整を行います。また外付ブラインドは日射遮蔽ができ年間冷房需要を軽減します。年間冷房需要の低減は他に基礎底盤下の冷地熱を利用できるように適切な断熱材の厚さをPHPPで求めました。夏型にすると冬型が成り立たなく、冬型にすると夏型が成り立たないという矛盾する両要素をバランス良くまとめることができました。
両方をクリアするようにスマートウィンを使った大開口部調整、熱橋の少ない納まりの検討、給気式冷暖房全館空調のZhender Comfohomeの採用等、試みが満載の住宅でした。