夫婦お二人と犬1匹が暮らす明るく暖かな住まいです。
姿は見えずとも、どこかに人がいることが分かる開放的な空間は家族みんなにとって安心感があります。
住まい手と一緒に使いやすい間取りを練るうちに、東北の代表的な農家建築である中門造のようなL字型の、出入口が突出したつくりになりました。 住まい手も農家です。農作業からの帰宅時・犬の散歩からの帰宅時には車庫・物置の多目的空間を通ってお風呂まで一直線に抜けられるようになっています。途中には洗い場(ドッグバス )に洗濯機と、汚れ物を順々に洗える仕組みがあり、床はタイル。たくさんお仕事をして帰っても、たくさん遊んで帰っても泥汚れの心配はありません。現代になっても伝統的な間取りが生きています。
南面に設けた大きな掃き出し窓には、ウッドデッキを覆う大きな下屋がかかっていますが、一部を透明にすることで日が射し込む中間期・冬場は日射を暖房としても利用でき、夏場は室内に入る前に遮ってくれます。また掃き出し窓と2階の南東のL字の窓から光が入り、大きな空間全体を明るくします。
トイレと洗面が一体のコンパクトなユーティリティーは、その分収納を増やしています。床タイルは在庫不足のため引き渡し後に施工させていただきました。
「この先何年も住むのに数ヶ月待てないことはないでしょう」という住まい手の一言に納得しました。
ドッグバスは建主さまが考案され、使いやすさとデザインを兼ねそなえたタイル仕上の造作です。車庫と物置の床高の差を利用し、腰を屈めなくとも洗えるようになっています。犬は床の高い物置側から水返しをまたぐだけで出入りできるようになっており、抱き上げたり跳ね上がったりすることなく使用できお互いの体への負担が少ない作りとなっています。
外観の写真は庭づくりをされた大類造苑さんからご提供いただきました。